郡山市×福島大学 食農公開講座いよいよ始まりました!

DSCF6100本公開講座は、市民の方と研究者、学生、あるいは行政関係者や商工業者が一体となって食と農、地域の復興に向けた議論とコミュニケーションを行う拠点をつくろうと、2013年から開催しています。ただいま好評開催中の、福島大学を会場とした毎週火曜日の公開講座、に加え、県中・県南の地域の方にも気軽に参加してもらおうと、連携協定に基づいて、この郡山市での公開講座を開催しており、今年で早3年目を迎えます。

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今年のテーマは「これからの郡山市・福島県の地域づくり」。

そこでは原子力災害からの復興をどう進めていくかということを基本に据えつつ、TPPや農協改革、米価問題、地域交通の問題など、全国の地域に共通する問題や課題を取り上げ、それぞれのテーマ・分野の第一線の研究者に講義をしていただきます。そして皆さんと議論を深めながら、これからの郡山市・福島県の食と農、地域経済を展望したいと思います。

さて、第1回のテーマは、地域交通とまちづくり、です。

交通は、私たちの生活にはなくてはならない社会基盤である一方、少子高齢化、過疎化と財政難の中、公共交通をどう維持していくかが各自治体の抱える大きな課題になっています。このような地域交通の観点から、これからの郡山市のまちづくりを考える貴重なお話をいただきました。

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地域の公共交通を行政・事業者・地域の三位一体(さらに三者をまとめる「翻訳者」(外部人材)も含め)、すなわり地域ぐるみで「創り」「守り」「育てる」という考え方と実践を提起。

この点を中心に質疑応答が行われ、そこでは、郡山市湖南地域ですでに住民組織が地域交通のあり方の検討会に参加する仕組みが生まれていることが住民から報告されるなど、議論は大変盛り上がりました。

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次回は、7月29日(水)です。

則藤孝志

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公開講座第8回、関谷直也先生が登壇!

福島大学ふくしま未来食・農教育プログラム公開講座 第8回 今日は、東京大学から関谷直也先生にお越しいただきました。 すでにご存じの方が大半だと思いますが、関谷先生は風評研究の第一者、第一線の研究者です。 IMG_2982 この風評被害の根深さ、対策の難しさについては、福島県の関係者は日々悩まされています。 未だ2~3割の人が福島県産を避けている、売れても、他産地よりも安く買われる。 このような風評被害の払しょくは、いまも、これからも最重要な課題の一つです。 今日の関谷先生のお話では、 ・そもそも風評被害って何なのか、その構造と発生するメカニズムとはどのようなものか ・風評対策としてよくやられている安全・安心のPRや説明会型のリスクコミュニケーションはどれほど有効なのか ・私たちが今、福島から発信すべき情報は何なのか について詳しくお話していただきました。 IMG_2988 風評被害の払しょくに向けた2つのアプローチがあります。 ①消費者(県内、東京等の県外とで状況が異なるが):検査結果の事実(ほとんどがNDという事実)を発信し続けること 安心を押し付けるようなPRではなく、淡々と事実を流すこと。なお、福島県産を積極的に避けている人は全体の20%ちょっとという事実があります。「多くの人が避けている、不安だ」という「誤解」を解いていくことも重要です。 ②流通業者:消費者はそれほど不安に思っていない事実・データを伝えていく。量販店の棚に福島県産の商品が並ばないのは、消費者が不安だからなのではなく、「消費者が不安だと流通業者が思っている」からという側面もあるのでは。つまり風評の問題は消費者の問題だけでなく、流通過程の問題でもあるということです。さらに、安全というだけで福島県産が売れるわけではありません。それはマイナス分がゼロに戻っただけに過ぎず、他産地との競争に勝っていくには県産品の商品品質(美味しさ、魅力)を上げていくこと、さらに安定的に供給できることや買い手の取引要望に柔軟に対応できることなど、いわゆる取引品質を上げていくこと、この2つが求められています。 則藤孝志          

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第6回公開講座が開催されました

食農教育プログラムの公開講座もちょうど真ん中、6回目となりました。
今回は、新潟大学農学部の准教授である吉川夏樹先生に講師をしていただきました。

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テーマは「農業用水由来」のCsとイネへの影響」ということで、お話していただきました。

・どういった形でセシウムが農業用水として流れてくるのか、
・どのようにしてセシウムがイネに移行しているのか、
それを知るためにどう仮説を立て、どのような検証実験をしているのか
・水田によって放射性セシウムの動態は広がっているのか、抑えられているのか など

難しい専門用語が多く出てくるにもかかわらず、わかりやすくお話していただきました。

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第5回公開講座が開催されました。

6月となり、食農教育プログラムの公開講座も第5回目となりました。
今回は、東北大学大学院農学研究科の准教授である冬木勝仁先生に講師をしていただきました。

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テーマは「米をめぐる情勢と農業・農村の復興」ということで、日本の主食であり、農業の中心でもありつづけてきた米についてのお話をしていただきました。

 

米の生産・流通について、食管制度の時代からの流れを踏まえて、どのようにして現在の低米価になっていったかを、詳しく専門的に解説していただきました。

 

震災後の福島県産米の価格は大きく低下していますが、これは放射性物質の影響もさることながら、震災直前の制度変更によって流通段階での行動が大きく変わったことによる影響が大きいとのことでした。

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食農教育プログラム公開講座、第4回が開催されました!

5月26日(火曜)食農教育プログラム公開講座、第4回が開催されました。
前々回から3回にわたって『福島に農林漁業を取り戻す』という本を素材にして、農林漁業の復興を考える講義を行ってきました。
前々回(第2回)漁業の濱田先生、前回(第3回)農業の小山先生と来まして、今週は林業です。

山形大学の早尻先生にお越しいただきました。

早尻先生のご専門は、林業の経済学・政策学です。
暮らしの生業としての、地域産業としての林業と原子力災害について現場に入って研究されている、
数少ない、(唯一と言っていいかもしれない)、研究者のお一人です。
「森林汚染からの林業復興」と題して、徹底した現場視点から貴重なお話・提言をいただきました。

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林業と原子力災害の問題を考えるとき、問題の現場である阿武隈地域の森の特徴をつかんでおくことが重要です。
阿武隈産地の森には、スギやマツなどの針葉樹だけでなく、コナラやミズナラ、ブナなどの広葉樹林が大きく広がっています。
この広葉樹から、山菜、きのこ、シイタケ原木などの恵みをいただきながら、人々は暮らしてきました。

「帰っても山に入れないのなら、元の生活に戻ったとは言えない」
阿武隈地域の再生には、人間と森との関わり、「自給と循環」をどう取り戻すかが重要なポイントになると早尻先生は強調しています。

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だからこそ、自宅から20mの除染(「点」除染)や時限的な金銭の損害賠償の限界を指摘したうえで、
本当の意味での住民の生活と故郷を取り戻すための息の長い取り組み(「全面補償」)を行っていく重要性を説いています。
とくにそこでは「政府」としての国、自治体としての県や市町村の任務に加え、「協同」によるボトムアップ型の政策提言が重要になると主張されました。

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次回(6月2日)は、米の流通と価格の問題について、東北大学の冬木先生にお越しいただきます。
ぜひ次回もお越しくださいませ。

則藤孝志

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2015年度地域産業復興プログラム公開講座 3回目

5月19日に第3回の公開講座が開かれました。

今回は「福島に農林漁業をとり戻す」というタイトルで、
福島大学の小山良太先生に講義していただきました。
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講義では、震災以降の福島の農業が、どのような復興の過程を歩んできたかを説明しながら、
「これからは福島が持っている特徴をベースに、これからの産業を考えていかなければいけない」「県内各地の地域資源(特産品など)を見つめ直しながら、これだったら勝負できる、これは厳しい、とか組み立てをしていかなければいけない」
と説明されました。

また国などへの要望として、
「風評対策ではなく、条件不利地対策としてやっていくべきではないか。
これからは地域単位で地域の状況に合わせて取り組んでいくべきだ」
と、説明されました。

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小山先生の講義を受けて、復興のフェーズが変わりつつあることを感じました。
地域単位で取り組むといった話は、6月30日の小田切先生や7月14日の守友先生の講義とも
関連してくると思うので、今から楽しみです。

次回は5月26日になります。
みなさん是非、お越し下さい。

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2015年度地域産業復興プログラム公開講座 2回目

5/12に第2回の公開講座が開かれました。
今回は「原子力災害下の福島県漁業と汚染水問題」と題して東京海洋大学の濱田武士先生に講義をしていただきました。
今回の記事では、その内容の一部を紹介したいと思います。

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震災以前の福島県の漁業は、戸数は少ないものの、
後継者確保率は高く、多様な魚種を水揚げしていた。

震災・原発事故以降には、水産物からの放射性物質のモニタリング調査や
試験操業を順次おこなってきた。

モニタリング調査の結果、基準値を超える放射性物質が検出される水産物は、
この4年間でほぼなくなった。
しかし試験操業という形で再開された漁業は、震災以前の水揚量では1割程度、
魚種では7割程度である。

また、原発敷地内からの汚染水漏えいとそれに関する報道によって
試験操業は大きく左右されてきた。

汚染水の放水について、排水規制値とは別に、
最終判断を漁業者に任せる形になっている。
この判断は、本来政府が行うべきものであり、
地元の漁業者にとって大きな負担・負荷になってしまっている。
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論文の作成に向けた研究ゼミが本格的に始まりました!

論文の作成に向けた研究ゼミが本格的に始まりました。

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今年度の修了をめざす第2期生は5名(長期履修制度で頑張っている第1期生が1名)。

自治体職員2名、農協職員2名、生産者2名。
それぞれの現場で食と農の再生に中心的に関わっている方々です。

現場で取り組んでいるミッションを見つめなおし、よりよいものにするための今後の課題や方向性を明確にする。その目標に向かって調査研究を行い、そのプロセスと見出した答えを論文としてまとめ上げる。これが「特定課題研究レポート」です。

今日の報告者は、郡山市の大葉生産者の遠藤さん。
同市逢瀬町をグリーンツーリズム・都市農村交流で盛り上げていく方向性を模索しています。

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食農教育プログラムのゼミの最大の特徴は、その活発な意見交換・ディスカッションでしょう。

教員陣に加え、院生からもどんどん意見やアイデアが出されます。

食と農にかかわる多様な主体が集結していますので、出てくる意見やアイデアも実に多角的・多面的で面白い。

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本日のゼミでも、たくさんの実践アイデアが生まれ、またこれからの調査研究の進め方もしっかり見えてきましたね。

 

ちょっとおまけ。

遠藤さんが取り組むグリーンツーリズム。
その日本の発祥の地とされているのが、大分県宇佐市安心院。
先月行ってきました。安心院こんなところ

安心院。山と川、のどかな気候に恵まれた中山間地域。
自然資源や文化資源もすばらしいですが、それは日本農村のどこにでもあるものです。
その地域資源の魅力を地域住民で共有し、活用し、行政もサポートしてツーリズムとして育ててきました。先駆者中山みや子さん

安心院といてば農家民泊。囲炉裏を囲んでお母さんの料理とお話を楽しむ。
安心院農家民泊のすてきな合言葉

「1回泊まれば遠い親戚、10回泊まれば本当の親戚」

グリーンツーリズムの本質は人のあたたかさにある、安心院を訪れて強くそう思いました。

郡山市大瀬町でもグリーンツーリズムを盛り上げていってほしい。

遠藤さんの研究と実践に期待しましょう。

則藤孝志

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第1回目の公開講座(地域産業復興プログラム)が開催されました

4月21日(火)に第1回目の公開講座が開催されました。

講   師:小松知未(福島大学うつくしまふくしま未来支援センター)
専   門:農業経営学、農業経済学
タイトル:「避難・作付制限・風評の先に描く将来像」

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初回でありましたが、学部生・院生・社会人と多くの方がお越しくださいました。

講義では、小松先生が関わっている福島県内の活動(福島大学生・若手果樹経営者・住民組織・行政区)を事例として出しながら、それぞれの活動主体がどのような状況を抱えているのか、どのようなことを考えて動いているのか、どのようなプロセスで活動を進めているのか、など解説していただきました。
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また原子力災害後の地域資源について。
人材資源については、多様な先行事例があるけれども、環境資源については先行研究がなく、
これからも研究が必要であるとおっしゃっていました。

次回の公開講座は、ゴールデンウィーク明けの5月12日(火)です。

事前申込の必要なし・参加費無料ですので、お気軽に講座を受けることができます。
ご興味のあるテーマがございましたら、是非お越し下さい♪

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2014年度 修了者の論文の装丁作業を開始しました

2014年度は、本プログラム初となる修了者が4名出ました。それぞれの研究テーマは、下記の通りです。

木村修士「農業用ため池を対象とした動力自給・遠隔型モニタリングシステムの提案」

宮田亮「原子力災害から農村地域の再生に取り組む住民組織の発達過程に関する研究」

佐藤亮「モモ産地再編期における園地流動化に向けた園地情報の活用方策—福島県伊達地域を事例として」

小林竜也「消費社会を周辺化する実践者たち—福島県喜多方市山都町から会津地域に広がる農的暮らしの展開の考察」

4人は、福島での仕事の中で直面している課題や、見えてきつつある方向性を糸口にテーマを決めました。それぞれ、大学院での専門的な学習・実習や、大学院生どうしのディスカッションを通じて体得した知識やものの見方を生かして、各自のテーマを深め、論文にまとめました。

本プログラムの専任教員のまとめ役である守友裕一特任教授は、「いずれも震災を機に、自らの仕事と生き方の模索のうえで行った研究であった。こうした若き知性が自らの生き方を考え、学び提案した成果の延長線上に、復興への多様な道が見えてくる」と述べています。(農業共済新聞、2015.3.4)

最初のプログラム修了者がこのように足跡を刻んでくださったことを教員一同誇らしく思っています。

論文の装丁作業を開始しましたので、近いうちに図書館に入ることになります。ご覧になりたい方、連絡をお待ちしています。(林)

修士論文4つ

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