第3期生研究発表会

2月7日、食農教育プログラム(社会人修士課程)
第3期生の修了研究発表会を開催しました。

第3期生は10名という大所帯で、
今年度は9名(1名は長期履修制度)が修了をめざして論文作成を進めてきました。

葛尾村の農業再生、放牧豚経営、農協のシェアリング事業など
さまざまなテーマが取り上げられ、各自が2年間の研究の成果を発表しました。

9名の論文テーマは下記の通りです。

降矢 和敏   畜産複合経営と資源利用の新展開
鈴木 忠    農業経営の安定と発展―(有)鈴木農園をモデルに現状と課題に対する解決策を提案―
松本 勝好   自治体復興論とその手法

神野 玲子   福島第一原発事故後に伴う避難指示解除後の南相馬市小高区の持続的復興の取組と今後の課題
佐藤 和希   原発事故後の住民意識に関する一考察
佐藤 陽    福島市大波地区における農業再生の現状と今後の課題について

佐原 源士   プラスα・6次化を軸とした新たな中山間地域農業の担い手像に関する研究
宗形 義洋   地域農業資産有効活用による農村コミュニティーの維持・拡大
真山 祐一   福島の農山漁村再生とエネルギー~再エネで地域に貢献する仕組み~

 

 

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郡山市公開授業:福島県の日本酒産業の軌跡と展望

本日の公開授業のテーマは日本酒です。

福島県は、全国・新酒鑑評会、この全国規模の日本酒の鑑評会において4年連続で金賞受賞数一位となりました。
この快挙の立役者である、福島県ハイテクプラザ・醸造・食品科長の鈴木賢二先生にご講演をいただきました。

「世界に誇る福島県の日本酒:軌跡と展望」

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一方、日本酒業界は明るい話ばかりではありません。
日本酒(レギュラー酒・普通酒)の消費量は減少傾向にあり、その中で経営難に苦しんでいる酒蔵も県内にはございます。

そういう状況だからこそ、これからの展望を見出すためにも、
鈴木先生から軌跡と展望と題してご講演いただこうと考えた次第です。

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福島県の日本酒がこの20年で大きな躍進を遂げた背景には、①人材育成(清酒アカデミー)、②酒蔵間の交流と情報技術の交換(高品質清酒研究会)、③吟醸マニュアルがあったといいます。

とくに①と②は、日本酒だけのことではなく農業や他の地場産業振興においても重要な点であり、さらには継続・発展的な地域づくりの仕組みとしても捉えることができるのではないでしょうか。

次回は12月16日です。
則藤孝志

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南会津町にて日本酒ワークショップを開催しました!

ふくしま未来食・農教育プログラムでは、授業と研究の一環で昨年度から南会津町・舘岩において農業と地域づくりに関する調査実習を行っています。

二年目となる今回の調査実習では、「過疎と風評に立ち向かう地域づくり型食農連携ビジョンの構築と実践―南会津町舘岩地域を食と農でつなぐ―」をテーマに掲げ、とくに日本酒に焦点を当てながら南会津町や舘岩地域の活性化の糸口を探りました。

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南会津町南郷にある地域に根ざした酒蔵として知られる花泉酒造では、
代表の星誠さん、杜氏の齋藤明さん、そして醸造責任者(常務)の中丸信さんから醸造蔵の見学を交えながら花泉の酒造りのこだわりや経営展開、地域に根ざした取り組みなどについてお話を伺いました。

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昨年に引き続き、舘岩の川衣集落でこだわりの硬い豆腐を作っておられる泉屋豆腐店を訪れ、郷土料理「お平」をいただきながら、豆腐料理と日本酒との組み合わせについて意見交換しました。

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また郷土料理の商品化に取り組むたのせ集落を今年も訪れ、日本酒にある料理の商品化の可能性を探りました。

 

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そしていよいよメインの日本酒ワークショップの開催。ワールドカフェというワークショップの方法を採用し、日本酒で南会津町や舘岩をもっと元気にするアイデアを地元の方を交えて話し合いました。

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うちの社会人大学院生は、農業生産者、流通業者、行政職員、農協職員、市民運動家など食と農にかかわる多様な職業人が集まっています。
今回のワークショップでもそれぞれの立場の強みを生かした興味深いアイデアがたくさん生まれてきました。

後期の大学院授業では、これらのアイデアを掘り下げて検討していきます。

則藤孝志

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今年もはじまりました!

地域産業復興プログラム無料公開授業が今年も始まりました。

この公開授業は今年で4年目を迎えます。

今年のテーマですが、震災・原発事故後5年間の総括、そしてこれからの5年間を見通す、このあたりに焦点を当てています。

また本学がいま取り組んでいる農学系人材養成機関の設置に向けて勢いがつくよう、重要なテーマをプログラムに盛り込みました。

ぜひ毎週・火曜、18時~、福島大学L2教室にお越しください。

食農公開講座2016チラシ裏

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、第1回は、風評被害の研究で著名な東京大学の関谷直也先生。

120名を超える聴講者にお越しいただき大変盛況でした。

「風評問題の本質とこれからの対策―原発事故災害からの復興のための情報発信―」IMG_3842
風評被害の段階を3つに区分(①集合的増幅、②組織的増幅、③自己成就)して、
払しょくできない神話が「事実化」し定着しつつある③自己成就にある今、どう対応するべきか。

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講演の後は、恒例のディスカッションタイム。
6年目の課題として示された、
理解 > 応援
流通 > 生産、消費
事実 > イメージ
について関谷先生を囲んで大学院生との意見交換が行われました。

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第2期生の研究成果発表会が開催されました!

1月26日(火)、3月に修了予定の経済学研究科・地域産業復興プログラム院生6名による研究成果発表会が開催されました。

発表の舞台に立ったのは2014年入学の第2期生および第1期生(長期履修制度)の6名。

農業生産者2名、農協職員2名、自治体職員2名の6名は、これまで2年間、それぞれの立場から食と農の地域産業復興をめざす研究に取り組んできました。

今日はその成果の発表会です。

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発表者の所属先の自治体や農協から同僚や上司も駆け付け、会場は満員となりました。

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トップバッターは厨優花さん。
「JAくらしの活動との協働による新たな米販売戦略の立案―JA新ふくしまブランド米「吾妻の輝き」の挑戦」
JA新ふくしまの広報担当として、地域に根ざした米販売戦略のアイデアを披露しました。

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続いて、同じくJA新ふくしまの栗原祐道さん。
「出向く営農体制と担い手支援のあり方―JA新ふくしまをモデルとして」
地域の担い手から頼られるJAであるために、既存の担い手支援チーム(AST)の今後のあり方を検討しました。

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3番手は、郡山市の農業生産者、野菜ソムリエとして活躍する藤田浩志さん。
「郡山ブランド野菜事業戦略―震災から見えてきた、地域ブランド事業戦略」
藤田さんらが取り組む地域ブランド事業「郡山ブランド野菜事業」を取り上げ、今後のとるべき事業戦略の方向性を検討しました。

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ここから自治体職員2名が続きます。
まずは郡山市農林部の草野哲也さん。
「郡山市農政における放射性物質対策の取組と今後の課題」
農業と暮らしの現場に近い立場から放射性物質対策のこれまでを総括し、今後の方向性を展望しました。

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続いて、田村市都路行政局の横田竜司さん。
「原子力災害被災地における営農再開要因の分析―田村市都路町を事例として」
避難から帰還に向かう都路地域の農業再生にどのような施策が有効か。
現場のデータから基盤整備事業や中山間地域等直接支払制度が果たす役割と今後の施策のあり方を検討しました。

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ラストバッターは、郡山市の大葉生産者、遠藤喜敬さん。
「逢瀬町グリーン・ツーリズムを通した地域の活性化について」
農家民宿を軸とするグリーン・ツーリズムに取り組む家族内部の問題に着目しながら、それを支える地域協議会の役割と地域活性化に向けた今後の課題を検討しました。

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終了後の懇親会の様子。

昨年の第1期生4名に引き続き、
今年の6名も、自らの仕事と生き方の模索のうえで研究を進め、すばらしい成果をあげることができました。

このような現場に根ざした研究成果の延長上に、復興の多様な姿が見えてくるのだと私たちは確信しています。

(則藤孝志)

 

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郡山市×福大による無料公開授業第3回が開催されました。

郡山市と福島大学の連携によるふくしま未来食・農教育プログラム無料公開授業・第3回が開催されました。
これから12月まで3回にわたって講義を行っていきます。詳しくはチラシをご覧ください。

さて、今回のテーマは農協改革です。
この9月に、改正農協法が成立しました。

その過程では、農業の生産性や強制力を高めるためには農協の改革が必要だという立場の意見と、
それは協同組合という仕組みを軽視したものであり、地域の現状・農業現場の声を無視したものである、もっと現場をよく見てくれ、という声とが激しく物ぶつかり合いました。
その結果、農協に大幅な組織と制度の変更をせまる改正に至ったわけです。

また福島県は来年3月に広域合併によって4つの農協に再編される予定です。
このように、農協改革と農協再編の中にある今、これからの農協はどうあるべきか、
これを考えることは、福島県の食と農、地域の復興を考えるうえでも重要なテーマであると考えます。
講師には、東京農業大学教授(東北大学名誉教授)の両角和夫先生にお越しいただきました。
先生は長年、農業と農村・地域社会の実態と構造を踏まえ、そこに農協の役割を問う研究をされてきました。

本日の題目は、「農協改革と地域振興における農協の役割」。

農協のめざすべき姿は、今回の農協改革の延長上にあるのではない。

①食料自給率の大幅低下、②農業の担い手不足、③中山間地域の衰退、④農業・農村の多面的機能の低下、これら現代の農業問題(農村・地域問題)の解決に農協がどう役割を発揮していけるか、これが問われていると話されました。
またフロアからは、農業・農村が直面する問題の解決には農協が果たすべき役割は大きいが、そこでは多様な人々の参画による地域ぐるみの取り組みが重要になるとの意見が出て、議論が活発に行われました。
次回は11月18日、東北大学の冬木勝仁先生が米の流通問題について語ります。

(則藤孝志)

2015郡山市公開講座チラシ

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後期・食農研究ゼミが始まりました!

地域産業復興プログラム(食農教育プログラム)、
後期の研究ゼミがいよいよ始まりました。
今年は6名の修士課程2年生が、
特定課題研究レポート(修士論文)の完成をめざします。
そして10名!の修士1年生が来年の論文作成に向けて各自の研究テーマを掘り下げていきます。
後期第2回の研究ゼミでは、1年生5名が研究報告を行いました。
5名のテーマは次の通り。
1.食と農で「つなぐ」ということ(流通事業経営者)
2.米+αマーケティング(米生産者)
3.農産物6次産業化における農村コミュニティの発展・維持(全農福島県本部職員)
4.自治体復興のための行政支援のあり方について(葛尾村職員)
5.原発事故における住民意識の分断と分裂の実態(JA福島中央会職員)
本プログラムには、食と農にかかわるさまざまな立場・職業の担い手が集結しています。
多様な意見・見方を尊重しながら、福島県の食と農の地域産業復興のあり方を皆で議論していきます。
(則藤孝志)
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郡山市公開講座第2回が開催されました!

郡山市・福島大学の連携による、ふくしま未来食・農教育プログラム公開講座が開催されました。

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2回目の今回は、未だ根深い問題である福島県産農産物・食品をめぐる風評の問題をテーマに取り上げ、福島大学経済経営学類の中村陽人先生と中村ゼミの学生にお話をいただきました。
タイトル:福島県産食品に対する消費者の態度と購買行動―風評の地域構造と情報発信戦略―
中村先生はマーケティング論および消費者行動理論が専門であり、震災以降は、福島県産農産物・食品に対する消費者の態度と購買行動について大規模に調査をされています。
今日のお話では、まず、昨年度全国のおよそ4千人に行ったアンケート調査の結果から、5年目の風評問題の実態(地域的特徴)を明らかにしていただきました。

さらに、今日のお話のもう一つの柱として、どのような情報発信を行っていくことが有効なのかについて、マーケティング論の立場から考察を進めている中村ゼミの学生からこれまでの研究成果を発表してもらいました。

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①誰が、②誰に向けて、③どのような情報を、④どのような方法(メディアツール)で、発信するべきか。
情報発信の重要性は皆が指摘しているが、やみくもに安全性やおいしさをPRするのでは効果は薄いだろう。
そこで、上記のように情報発信の要素を分解することで、より有効で、体系的な発信枠組みが見えてくるのではないか。

このような課題意識を持ちながら、SNS(Facebook、Twitterなど)を活用した意欲的な提言を示していただきました。
またフロアからは、情報発信に取り組む生産者や流通業者の方から質問や意見が多く出て、議論を深めることができました。

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これで前半の部は終了です。後半の部、第3から第5回は10月下旬からスタートします。
第3階は10月下旬に、農協改革をテーマに取り上げ、東京農業大学の両角和夫先生からご講演いただく予定です。
皆さん、楽しみにしておいてください。

則藤孝志

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福大食農公開講座 いよいよ最終回!

いよいよ、公開講座も最終回です。今回は、福島大学の守友裕一先生(経済経営学類・ふくしま未来食・農教育プログラム特任教授)にご講演いただきました。

守友先生は、地域づくりや内発的発展論の分野の第一人者です。守友先生は、飯舘村を始めとする福島県内外の農山村地域に徹底的に入り、農山村の現場から内発的発展論という理論を築き上げてこられました。その成果をまとめた1991年発刊の『内発的発展の道』(農文協)は今も広く読まれています。

震災・原発事故以降も、引き続き、飯舘村を中心に、さまざまな分断が生じている地域に入り、これからの地域づくりの方向性を考え続けておられます。今日は、地域づくり、内発的発展という考え方を中心にして、食と農、そして地域の再生と復興について考える講義となりました。まさに最終回にふさわしいテーマでした。

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これまで11回にわたって開催してきた今年度の公開講座。今年は、これからの福島県の地域づくりをどう進めていくか、将来に向けて地域の産業や暮らしをどう自分たちでつくっているかという方向性を重視し、これからの食と農の地域づくりにかかわるさまざまなテーマを取り上げてきました。ご参加いただいた皆さんのこれからの仕事・取り組みに少しでもこの公開講座が役に立てれば企画側として幸せに思います。また引き続き、来年もこのような議論の場をつくっていこうと思います。

なお、この公開講座は今回で終わりですが、私たちは郡山市でもこのような公開講座を開催しています。こちらは全5回で、12月まで続きます。内容は、本HPに掲載しているチラシをご覧になって、ぜひご参加ください。さっそく第2回が今月29日に開催します。こちらもよろしくお願いいたします。

則藤孝志

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第9回公開講座「農山村再生の課題」 小田切徳美先生

6/30に開催された第9回公開講座は、明治大学の小田切徳美先生による「農山村再生の課題」と題した講義でした。

小田切先生は、中山間地域を中心とした農山村の再生について研究を第一線で行ってこられた先生で、近年話題になった「農山村消滅」に対しての反論も行っています。

講義は
Ⅰ.農山村の新しい風―田園回帰―
Ⅱ.農山村再生とは何か?
Ⅲ.農山村再生の実践
Ⅳ.農産再生のプロセス
Ⅴ.おわりに―新しい社会へ―
という構成でした。
「田園回帰」という近年都市部から農村部への若者の移住が進みつつあることを踏まえ、農山村再生には「地域みがき」が欠かせないという説明がありました。
またこれらについて西日本を中心にした事例を紹介していただき、地域の内部からの動きが何より大事であり、将来に向けて今、時間をかけて地域内での話し合いを深めていくことが大事であるとの提言をしていただきました。

講義のあとには
・東北と関西の違いはあるのか?
・福島の放射能の問題に対してどうアプローチすれば良いか?
・放射能汚染を受けた福島にとって他の地域の事例はどこまで参考になるのか?
といった議題について、熱心な討論が行われました。

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